イベントレポート:【Myスタイル起業©in岐阜】2/18(火)インパクトスタートアップの可能性と地方自治体&スタートアップの連携成功事例・フェムテックと女性起業家について

2025年2月18日(火)、岐阜県内で女性起業家育成を目的としたイベントの2回目を開催しました。本セミナーは2日間にわたり、「挑戦を始める女性」をテーマに、社会や地域にインパクトを与えるビジネスの可能性を探る内容となっています。また、パネラーや先輩起業家との直接対話ができる交流タイムもご用意しました。

※本事業は、岐阜県スタートアップサポーター支援事業補助金の交付を受けて実施されています。

<イベント概要>

パネルディスカッション#2

メインテーマ インパクトスタートアップの可能性と地方自治体&スタートアップの連携成功事例

日時:2025年2月18日(火曜) 10:30~12:00(その後30分間交流会)

会場:NOBUNAGAキャピタルビレッジ
          岐阜県岐阜市神田町6−11-1 協和第2ビル 5階

登壇者

勝目 麻希 氏(Maki KATSUME)東海ライターチーム「Writing Ship」

2011年3月南山大学外国語学部ドイツ学科卒業後、三菱UFJ銀行に総合職で入社。法人営業や国内法人決済部門で3年半働く。その後、結婚のタイミングで商社に営業サポートとして転職し、長女の出産を機に専業主婦になるが、家事・育児だけではない「人生のやりがい」が欲しいと思い、自分のペースで働くことができるフリーランスライターの道へ。現役ライターとして主に金融機関や経済メディアでの執筆をしながら、フリーランスやライターを目指す女性向けの講座も開講中。2023年より東海地方で活動する女性ライター4名でライターチーム「Writing Ship」を発足し、リーダーも務める。プライベートでは、小2女子・年中男子(ASD)のママ。趣味は旅行・美味しいものを食べること・K-POPの推し活。

田中 結子 氏(Yuko TANAKA)ブリューエン株式会社 代表取締役CEO

岐阜県大垣市出身。東京外国語大学在学中にアメリカとドイツへ留学。 卒業後、国内製薬メーカーで営業職を務めるが、全国転勤のある営業職の夫との結婚を機に退職。 その後、転勤族の妻として働ける環境を模索し、派遣社員やフリーランスで翻訳・通訳の仕事を経験。後に東京のIT企業で専属通訳兼秘書として入社し、経営企画や海外事業開発責任者を経てCEOに就任。2023年に地元岐阜へ戻り、ライフステージの変化に制約される女性を支援する事業を構想。2024年、ブリューエン株式会社を設立し、企業の業務支援とジェンダーギャップ解消に取り組む

佐藤 愛 氏(Ai SATO)株式会社ユニークアグリ 代表取締役

岐阜大学起業部4代目/5代目部長。学部一年次には、朝の時間帯のバス通学時の混雑解消を目的に、“帰ってきた!!トラフィレンジャープロジェクト”を立ち上げ、岐阜大学教育推進・学生支援機構キャリア部門の実施する、令和4年度基盤的能力を育成する学生支援プロジェクト事業に採択。岐阜乗合自動車との協議や、岐阜大学生協と共同で次年度新入生向け通学冊子の作成等に取り組んだ。また、農家である自身の祖父母の姿を見、農家の技術継承の課題について知り、雑草を用いた農家の技術継承を目指す活動を始める。起業部(2022~)。

山口 夕奈 氏(Yuna Yamaguchi)にこぽじキッズ代表

体育大学で教員免許取得後、株式会社アルペンというスポーツの企業へ就職。
女性活躍推進プロジェクトやサスティナビリティ推進活動の部署代表として、力を入れて取り組んでいました。
それでも仕事と育児のバランスにに悩み続け、コロナをきっかけに我が子の運動能力の低さに衝撃を受け、子どもの可能性を引き出す運動の先生になりたいと思い起業を決意。
現在は高校教師や保育、療育に携わりながら、1歳から楽しめる運動あそび教室の運営をしています。プライベートは小1と小3の姉妹がいて、夏はキャンプ冬はスキーと休日も全力であそんでいます!

当日は雪もチラつき、大変寒い中ご参加いただき、ありがとうございました。

矢上よりイベントの趣旨説明からスタートしました。

登壇者紹介ではスライドを使い、起業された経緯と現在の取り組み、岐阜や東海地方での活動や連携エピソードについてお聞きしました。 

勝目 麻希 氏(Maki KATSUME)東海ライターチーム「Writing Ship」

勝目氏は、銀行員からフリーランスライターへと転身し、東海ライターチーム「Writing Ship」を立ち上げ、東海地方の魅力を発信する活動に尽力されています。
出産を機にキャリアチェンジという大きな決断をされた行動力、そして、チームで互いの得意分野を活かしながら活動されている姿は、まさに現代を生きる女性のロールモデルです。制作活動と並行して、キャリアに悩む女性向けの講座を開催されている勝目氏の、ライターとして、また講師として、常に挑戦し続ける姿勢は、聞く人の心を強く惹きつけました。

山口 夕奈 氏(Yuna Yamaguchi)にこぽじキッズ代表

体育大学卒業後、大手スポーツ用品企業アルペンでの経験を経て、山口氏は幼児向け運動・体操教室の運営と、高校・フリースクールでの講師活動を通じて、多岐にわたる年代層への運動指導に尽力されています。
組織での経験から得た課題意識を胸に、子どもの運動能力向上という明確な目標に向かって起業された行動力は、まさに有言実行の体現です。常に学び続ける姿勢を持ち、子どもたちに運動の楽しさを伝える山口氏の情熱的なお話は、聞く人の心を強く揺さぶるものでした。

佐藤 愛 氏(Ai SATO)株式会社ユニークアグリ 代表取締役

現役岐阜大学起業部4代目/5代目部長の佐藤氏は、岐阜大学起業部出身の佐藤氏は、農業IoT開発会社を設立し、地域農業の活性化に尽力されています。祖父母が農業を営む中で感じた課題を解決したいという強い想い、そして、大学生でありながら起業という道を選んだ行動力は、まさに現代の若きリーダーの姿でした。
公式LINEアプリ「ユニライン・クラウド」の開発や、現場のニーズを把握するためのアルバイトなど、常に現場の声に耳を傾け、農業のDX化を推進する佐藤さんの熱意あふれるお話は、聞く人の心を奮い立たせるものでした。

田中 結子 氏(Yuko TANAKA)ブリューエン株式会社 代表取締役CEO

東京のIT企業でCEOを務めた後、地元岐阜に戻り、ブリューエン株式会社を設立された田中氏は、ライフステージの変化に制約される女性の支援に尽力されています。
キャリアの頂点から、地域での課題解決へと視点を移された決断力、そして、女性が本来の力を発揮できる社会を目指し、企業の業務支援とジェンダーギャップ解消に取り組む情熱は、聞く人の心を強く揺さぶるものでした。
女性特有の課題に真摯に向き合い、新たな価値を創造しようとする代表の熱意あふれるお話は、多くの女性に勇気と希望を与えるものでした。

更に田中氏は【タジコン/たじみビジネスプランコンテスト】にて創業グランプリを獲得した際のプレゼンも一部披露してくださいました。

言葉のデザイン会社「えいご屋さん」が本当に伝わる英語とビジュアルで多治見の魅力を世界へ届け発展し続ける未来について力強くプレゼンしてくだいました。多治見だけではなく、今後は岐阜にある多くの伝統と技術の素晴らしさを届けたいとお話されていたのがとても印象的であり、聞く人も一緒に未来を想像することができる時間でした。

パネルディスカッションでは、「多忙な日々の中での成長と変化」「地方創生に向けた挑戦と課題」「未来への構想:多様な課題と解決策」「多様な活動に耐える健康維持方法」「岐阜での活動と今後の展望」といったキーワードを軸に、登壇者の皆様それぞれのキャリア選択や地方創生への熱い想いについて語っていただきました。

多忙な日々の中、資金繰りや信用維持に苦労しながらも、成長を実感する声や、資金不足や情報収集の難しさに直面しながらも、地域活性化に情熱を燃やす姿が印象的でした。
画像分析技術を活かす挑戦や、多岐にわたる課題への具体的な解決策の提案、健康維持のための積極的な活動も語られました。
地域独自の強みを活かし、子育てと仕事を両立しながら、地域貢献を目指す展望も語られました。

世代を超えた価値観の共有や、具体的な課題の議論は、参加者に多くの気づきと共感を与えたのではないでしょうか。

セミナーの最後に、「NOBUNAGAキャピタルビレッジ」の久保田彩乃氏より、同施設および運営主体である地方銀行の事業多角化と地域活性化への取り組みについて紹介がありました。

地域活性化の具体的な取り組みとして、家族向け短期留学プログラムが紹介されました。岐阜県を拠点に展開するこのプログラムは、留学先の増加と日本の文化発信を目的としており、地域への新たな人の流れを生み出すことが期待されます。ただし、保育園の一時預かり保育を活用したプログラムの実施には、受け入れ先の確保が課題となっていることも示されました。

地域事業者支援やバスケットボールチームとの連携による地域活性化サービスの事例も紹介され、地域全体を巻き込んだ活性化の可能性が示唆されました。
「NOBUNAGAキャピタルビレッジ」は地域活性化の拠点として、多岐にわたる取り組みを行っており、今後もたくさんの方に利用して欲しいと話されていました。

セミナーでは、登壇者の皆様に起業のきっかけから現在の活動に至るまでの経緯や取り組みをご紹介いただきました。

パネルディスカッションでは、女性起業家ならではの視点から、起業における悩みや課題、友人・家族・地域との関わり方、ワークライフバランスなど、多岐にわたるテーマについて貴重なご意見をいただきました。これから起業を目指す方だけでなく、幅広い層にとって有益な情報共有の場となりました。

パネルディスカッション後の交流会では、登壇者と参加者がさらに親睦を深め、セミナー内容に関する質問や感想など、活発な意見交換が行われました。

多忙な日々の中で成長を続ける起業家、地方創生に情熱を燃やす人々、新たな技術で未来を拓く挑戦、地域密着型支援。多様な活動が語られ、地域社会、岐阜をより良くしたいという強い想いが共通していました。


<イベント概要>

パネルディスカッション#3

メインテーマ:フェムテックと女性起業家について

日時:2025年2月18日(火曜) 13:30~15:00(その後30分間交流会)

会場:NOBUNAGAキャピタルビレッジ
          岐阜県岐阜市神田町6−11-1 協和第2ビル 5階

登壇者

渋谷 木の実 氏(Konomi SHIBUYA)=follg.代表・思春期保健相談士

愛知県西尾市出身。美容師として働いた後に専業主婦に。自身の娘の生理や性教育にさまざまな課題を感じ、ビジネス経験ゼロから起業を決意。思春期保健相談士としても活動し、性教育のきっかけ作りに力を入れている。

恒広 訓子氏(Noriko TSUNEHIRO)=一般社団法人日本ウィメンリーダー協会 副代表/一般社団法人 日本フェムテック協会 顧問

千葉大学工学部卒業後、富士ゼロックスでメカ設計エンジニアを経て20代で人材ビジネスへ転身。20年間、人事責任者として6社約2000名の社員のキャリア支援を行い、女性活躍を促進する人事制度の構築や採用支援のコンサルティングを担当。2013年に発足した日本ワーキングママ協会では子連れで学べるビジネススクール「東京ワーキングママ大学」のプロデュースを通し、「自分らしく」働けるキャリア形成の場を提供。2023年には協会副代表として、STEM領域のキャリア支援として中高大学生のためのロールモデル派遣事業を立ち上げる。

当日は雪もチラつき、大変寒い中大変寒い中ご参加いただき、ありがとうございました。

「NOBUNAGAキャピタルビレッジ」の久保田彩乃氏より、同施設および運営主体である地方銀行の事業多角化と地域活性化への取り組みについて紹介がありました。

地域活性化の具体的な取り組みとして、家族向け短期留学プログラムが紹介されました。岐阜県を拠点に展開するこのプログラムは、留学先の増加と日本の文化発信を目的としており、地域への新たな人の流れを生み出すことが期待されます。ただし、保育園の一時預かり保育を活用したプログラムの実施には、受け入れ先の確保が課題となっていることも示されました。
地域事業者支援やバスケットボールチームとの連携による地域活性化サービスの事例も紹介され、地域全体を巻き込んだ活性化の可能性が示唆されました。
「NOBUNAGAキャピタルビレッジ」は地域活性化の拠点として、多岐にわたる取り組みを行っており、今後もたくさんの方に利用して欲しいと話されていました。

矢上から登壇者紹介では、お二人から起業された経緯と現在の取り組みについてお聞きしました。 

渋谷 木の実 氏(Konomi SHIBUYA)=follg.代表・思春期保健相談士

性教育の重要性を認識しながらも、伝えることへの抵抗感を持つ保護者が多い現状に対し、渋谷氏は、保護者向けの性教育講座を運営し、その苦手意識の解消とサポートに尽力されています。
子どもたちが主体的に、安心して社会で活躍できる未来を目指し、大人から与えられた選択肢がない現状に課題を感じ、吸水ショーツの商品開発にも取り組まれました。偶然にも、その課題がフェムテックの領域と重なったと言います。

QRコードを通じて、誰もが気軽に性に関する情報を得られる仕組みを提供するなど、渋谷氏の活動は、タブー視されがちな性にまつわる課題に対し、新たなアプローチで向き合うものです。

子どもたちの健やかな成長を願い、保護者の不安に寄り添いながら、性の課題解決に尽力される渋谷氏の熱意あふれるお話は、多くの女性に勇気と希望を与えるものでした。

恒広 訓子氏(Noriko TSUNEHIRO)=一般社団法人日本ウィメンリーダー協会 副代表/一般社団法人 日本フェムテック協会 顧問

2013年、妊娠・出産を機に多くの女性が仕事を辞めざるを得ない状況を打破するため、恒広氏は日本ワーキングママ協会(現:日本ウィメンリーダー協会、同社代表の矢上が代表理事を務めています。)の設立間もない頃に参画されました。当時、待機児童問題や長時間労働など、社会的な構造問題が女性のキャリア継続を阻む大きな壁となっていました。
恒広氏は、妊娠・出産から復職、さらなる活躍を支援する橋渡し役として、企業、行政、そして当事者へ積極的に働きかけ、環境改善に尽力されました。
設立10周年を迎えた2024年、協会は「日本ウィメンリーダー協会」へと名称を変更し、女性の進路やキャリアを包括的に支援する新たなステージへと進みました。特に、起業家やSTEM分野で活躍する女性を応援するプログラムを展開し、次世代女性との連携を強化しています。

また、恒広氏はフェムテック協会においても、「ワーク・ライフ・ホルモンバランス®」を推進し、女性が自分らしく生きることを支援されています。自身の「からだ」と「こころ」を知ることで、誰もが活躍し、相互理解が当たり前のウェルビーイングな社会の実現を目指し、女性の健康課題解決と社会進出を力強く後押しされています。
恒広氏の、社会変革への情熱と行動力、そして女性たちへの温かい眼差しは、多くの人々に勇気と希望を与えるものでした。

パネルディスカッションでは、「フェムテック普及の課題」「フェムテック業界の成長の可能性」を軸に、フェムテックと女性起業家の未来について議論しました。
フェムテック関連サービスの普及には、認知度向上と企業側の理解が不可欠であり、女性の離職率の高さを背景に、企業連携によるサービス提供の必要性が指摘されました。
日々の悩みが共有されにくい現状や、健康・性教育の課題、ペット飼育の認識変化など、様々な課題と変化の兆しが語られました。
商品陳列の工夫や、更年期・健康に関する情報共有、自己管理の重要性についても議論され、健康維持と情報収集の重要性が改めて確認されました。

女性の健康課題が単なる個人的な問題ではなく、社会全体で取り組むべき重要なテーマであることを再認識することができました。
これまで個人的な悩みとして抱え込んでいた課題が、社会的な議論の対象となったことで、フェムテックの可能性や、社会全体の意識改革への期待から、希望を感じました。
フェムテックに関する理解を深め、行動を促す貴重な機会となりました。

【お問い合わせ先】

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