イベントレポート:4/22開催「NAGOYA CONNÉCT #22 『NAGOYA CONNÉCT Weak Ties 女性コミュニティMeetup!』」
2022年4月22日(金)なごのキャンパス&オンラインにて「NAGOYA CONNÉCT Weak Ties 女性コミュニティMeetup!」が開催されました。
コロナ禍において人々の生活が大きく変わったように、女性たちの生き方や働き方も大きく変容しつつあります。そんな中、Weak Ties 〜ゆるやかな絆でつながる〜頻繁に会うわけではないけれど、尊敬し、信頼する人との細く長い関係性が必要となってきます。そこで、NAGOYA CONNÉCT Weak Ties女性コミュニティを盛り上げていく10名の女性たちが集まり、今感じていることや、やりたいこと、意気込みなどを熱く語り合いました。
お互いがファーストネームや愛称で呼び合う和やかな雰囲気の中「NAGOYA CONNÉCT Weak Ties 女性コミュニティMeetup!」はスタート。
はじめに、それぞれの自己紹介が始まります。なごのキャンパスから7名、オンラインで2名、モデレーター1名、合計10名が集まりました。
◇百貨店勤務 広報 犬飼奈津子さん
◇株式会社eight 代表取締役 鬼木利瑛さん
◇株式会社トライエッティング 取締役副社長兼COO 菅沼美久さん
◇株式会社じょさんしGLOBAL Inc. 代表取締役 杉浦加菜子さん
◇株式会社クレディセゾン 西日本営業部営業一課 鈴木若奈さん
◇株式会社角川アスキー総合研究所 ビジネスコンサルティング部 エリアマーケティング課 ビジネスマネージャー 幅英里子さん
◇株式会社ヴィス デザイナーズオフィス事業部 プロジェクトマネージャー リーダー 福岡理恵さん
◇学び舎mom株式会社 代表取締役 矢上清乃さん
モデレーターは、Venture Café NAGOYA CONNÉCT Women and Diversity Program Manager/EY新日本有限責任監査法人 名古屋企業成長サポートセンター 松葉由紀子さんです。
◆女性の今抱えている課題について
モデレーターの松葉さんから「今感じている課題」について尋ねると、偶然にも鬼木さん、犬飼さん、菅沼さんの3名から「『こうあるべき・こうしなければならない』という意識から解放されたい」という同じ意見が出ました。
鬼木さんと犬飼さんは、「母親だから、女性だからこうあるべき」「子供に対しても、こうあるべき」という思い込みや無意識のバイアスがあったことで、かつて自分が苦しんだ経験があるとのことです。
菅沼さんも、母親という役割が与えられたところで、選択肢や可能性の幅が一気に狭まる息苦しさを体験し、「立場が変わったとしても選択肢は狭めるべきではなく、むしろ広げていくべきものではないか」と強く感じているとのこと。
一方、企業で働く鈴木さんからは、大企業で当たり前のことが中小企業では行われていないという不均衡を「平準化」すべきという意見が寄せられました。
また、去年、第一子を出産し、産休2ヶ月ですぐに職場復帰したという福岡さんからは、「求められること・やりたいこと・できること」のバランスを取るのが難しく、どこにヘルプを出して良いか分からないとの声が。「出産・育児と仕事との両立」といった、まさに女性が抱える困難の典型に現在、直面していると話してくれました。
◆ワクワクすることは?
次に「ワクワクすること」について尋ねたところ、参加者たちの表情は明るく輝きはじめました。
鬼木さんが答えてくれたのが「前方後円墳」。
「?」と会場がざわめくなか、鬼木さんは現在、手がける「前方後円墳お弁当プロジェクト」について語りはじめました。兼業として関わる様々なメンバーたちと作り上げる楽しさや、方向転換やキャリアチェンジができる自由さ、困難以上に得られるメリットについて熱く語ってくれました。
杉浦さん、矢上さんからは「自分を知ること」という答え。
助産師である杉浦さんは、仕事で関わる女性たちに「あなたはどうしたい?」「何が好き?」との問いかけをしていると言います。周りにあふれる情報に振り回されるのではなく、自分で選択できるために、「自分自身についてもっと知ってもらいたい」と語ります。同じように矢上さんからは、自身が母親になった当初は、感情を押し殺していた時期があったが、そうではなく、好きなことや自分の気持ちをアウトプットすることが大事だ、ということに最近、気づいたとの意見。気持ちを声に出すことで、自分を知ることができ、好きなことを楽しみたいと思えるようになったと、自己理解の大切さを語ってくれました。
荒川さん、幅さん、福岡さんの3名からは、「このコミュニティに参加できたことがワクワクする」との声が出ました。
子育てがひと段落して時間ができ、熱くなれるものが欲しい、このコミュニティでの人の繋がり、化学反応が嬉しいと語る幅さん。また「ワーキングマザーとしての悩みは自分だけのものではないということが分かった」と話す福岡さんは、悩みを皆に共感してもらったことや、先輩の女性がキラキラしている姿を見てホッとしたそうです。荒川さんは、「今までの女性コミュニティは、マウンティングの取り合いになることもあったけれど、ここでは、愚痴ではなく、一歩先の未来へ向けた提案が話し合えるコミュニティになるのではないか、という可能性を感じている。」と話してくれました。「ここでは、マウンティングは禁止です!」と松葉さんがキッパリと言うと、会場はホッとした笑いに包まれました。
◆NAGOYA CONNÉCTに期待すること
「このコミュニティに期待すること」について尋ねると、「ここでは安心して自分の意見を言えるコミュニティである(ありたい)」との答えが返ってきました。
犬飼さんのパネルボードには「共感の輪」。ひとりではなくみんなの声。勇気を出して自分の意見を言うことが共感に繋がる。こうした共感の渦を大切にしたい、と言います。
幅さんからは「みんなで近道」。仕事や家庭での悩みをここで打ち明けると、様々な意見、パターンについて聞くことができる。決断は自分で勿論するが、解決するまでの寄り道をしなくて良いと感じたそうです。またそれは自分一人だけでなく、みんなで近道ができるのが良いと話してくれました。
NAGOYA CONNÉCTに集まる女性たちは多様なバックグラウンドを持つからこそ良いのだと言う意見は、矢上さん、菅沼さん、杉浦さん。
「Open Inclusive ~違う属性の人たちとの対話~」という言葉を上げたのは矢上さん。女性コミュニティを飛び出して、大企業や自治体で働く男性たちと出会い、彼らと多くの対話を重ねたことで、新たな視点が生まれたと話してくれました。菅沼さんからは「違いを楽しむ。安心できる場。」と言う言葉。異なる性別・属性・国籍の人たちとの違いを楽しみ、心理的安全性を保てるコミュニティの中で、さまざまな人たちと話をしてみたいと、グローバル企業の一員らしい意見を出してくれました。
同じように、横の繋がりに期待したいと話すのは杉浦さん。同質なメンバーで構成するコミュニティでは、どうしても些細なことから上下関係が生まれてしまいがち。年齢・経験・地域と実に多様なメンバーで構成されるこのNAGOYA CONNÉCTのメンバーたちとは、個人としてお互いに尊重し合えるので、こうした多様な「横の繋がり」を大切にできるとの意見を寄せてくれました。
一方、「このコミュニティに参加したこと自体が意気込みの表れ」と答えてくれたのが鈴木さん。普段は会社勤務や家事育児で多忙なため、これまで女性コミュニティに属したことがなかったそうです。同じようにコミュニティを持っていない人も多いはず。その中で「何か新しいことをやってみたい、新しいコミュニティに参加したい」という人たちをどんどん巻き込みたいと話します。
荒川さんからは「他力本願」。それぞれの力を生かしつつ、助け合うコミュニティでありたいとの言葉。この意見には、モデレーターの松葉さんも深く頷き、共感した様子。「どうしても女性たちは自分の力で頑張ってしまい、なかには頑張りすぎて折れてしまうという人もいます。他力本願で、お互いをサポートしながら、支えあうコミュニティにしていきましょう。」と声高らかに話しました。
◆ギャラリー参加の名古屋市副市長からのご意見
なごのキャンパスの会場では、名古屋市の副市長 中田英雄さんと杉野みどりさんにもご参加いただきました。中田副市長から「名古屋から東京へ出てしまう女性たちが多いのが問題。どうしたら解消できるか。」との質問が出ると、杉浦さんから次のような意見があげられました。
男性の長時間労働をなくすこと。女性のワンオペの解消。女性の力を社会へもっと活かせるようにするには、女性だけでなく男性の働き方も変える必要があるのではないか。杉浦さんのこの言葉に、参加者たちは皆深く共感しました。
また、杉野副市長からは、「育児だけでなく介護も女性に負担が偏りがち。男女がちゃんとシェアして社会に参画しなければこの世の中は成り立たない。起業しようとする女性、組織の中で役員を目指す方、幅を広げようとする女性、すべての女性を応援したい。何ができるのか、その模索において、皆さんの力をいただきたい。」という嬉しい言葉をいただきました。
◆まとめ〜この一年間の意気込み
最後にそれぞれ一人ずつ、この一年間共に活動する上での意気込みを語ってもらいました。
一人ではできないようなこと、もやもやしていることでも、様々な人たちとの繋がりから新しいものを生み出していきたい。
従来の壁を越えて、皆で一つ上のステージに上がりたい、さらに一歩外へ踏み出したい。
このコミュニティから更に多くの人たちへ実現方法や多様な生き方を発信したい。等々。
オンライン越しに、福岡さんが泣いている1歳の子どもを抱っこしている様子が映りました。それを見た松葉さんが話します。
「これが女性のリアルです。夜に時間をつくる難しさ。それでも『できない』と言わずにどんどん挑戦していきたいですね。多様な女性たちが繋がり、みんなで盛り上げていきましょう。」
今後の「NAGOYA CONNÉCT Weak Ties 女性コミュニティ」が楽しみです。
(文:学び舎mom MYTi)