イベントレポート:NANZAN SPARK講演会#4_11/20(水)これからの学生にアントレプレナーシップがなぜ必要なのか

学び舎momは、昨年に引き続き、アントレプレナーシップ(起業家精神)を促進するプログラム「NANZAN SPARK」の企画運営に参画しています。

SPARK講演会シリーズ #4

新しい発想で社会課題解決に向けたビジネスモデルを生み出している4名による講演会

テーマ「これからの学生にアントレプレナーシップが必要か」

日 時:11月20日(水) 14:00-15:30

講 師:粟生 万琴 氏(Makoto AOU)

【プロフィール】

武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 教授/インキュベーション施設「なごのキャンパス」プロデューサー/ZIP-FM「Startup [N]」ナビゲーター/名古屋大学 産学官連携 客員准教授/名古屋市教育委員/Central Japan Seed Fundメンター/豊田合成社外取締役
エンジニアとしてソフトウェア開発に従事した後、事業会社にて2012年TECH系カンパニー 女性初の役員に就任、社内ベンチャーを立ち上げ事業分社、産官学連携スタートアップの起業支援に従事。
2016年 関西発AIベンチャー、株式会社エクサインテリジェンス(現 株式会社エクサウィザーズ)創業 取締役COOを経て、第2創業として株式会社LEOを設立。

2024年11月20日(水)、南山大学にて第4回 NANZAN SPARK講演会が開催されました。今回のテーマは「これからの学生にアントレプレナーシップが必要か」。講師には、株式会社LEO代表取締役の粟生万琴氏をお迎えし、学生や社会人を含む約15名が参加しました。粟生氏は自身の経験を基に、アントレプレナーシップの重要性と未来を切り拓く力について語りました。

講演会の冒頭では、南山大学副学長(グローバル化推進担当)の山岸先生より挨拶があり、NANZAN SPARKの取り組みの背景と主旨が説明されました。

ー南山大学 副学長(グローバル化推進担当) 山岸先生からのコメントー

皆さんが社会や経済のために。より良い生活を後世に残すために。何か社会や他者に善になるために考えてもらえれば。この時間は、ワクワクするような時間を過ごして欲しいです。

ー奥田先生からのコメントー

大学の先生は教員免許を持っていない。大学の教科書を作り出す側の人。その人と一緒に勉強している学生も一緒に知的な何かを生み出していく場所が大学。本来は何かを一緒に作り出していく場所が大学である。大学が本来やるべきことがアントレプレナーシップだと思っている。それぞれが思っていることを実現する方向で頑張って欲しい。

粟生氏からは自身のキャリアを振り返りながら、これからの社会で学生に求められるアントレプレナーシップについて講演を行っていただきました。

システムエンジニアとして新卒で入社した企業で働く中で、20代後半で働き方を見直し、「ビジネスや社会を学びたい!」と感じてPASONAグループへ転職。その後、事業会社での新規事業立ち上げに携わり、社内コンテストに毎年応募し続けました。6回目の挑戦でファイナルに進出し、3年間自分のビジネスプランを試した結果、入賞。そして社内ベンチャーを立ち上げるに至りました。

粟生氏は、ビジネスコンテストへの挑戦が自分の自信を深め、会社に利益をもたらした経験があることを語り、「今の学生にも、ビジネスコンテストに挑戦してほしい!」というメッセージを送ったことで、学生たちに大きな刺激を与えました。

粟生氏にとっての転機が訪れたのは2014年、アメリカのシリコンバレーに大学生を引率して訪れたときでした。シリコンバレーは、起業家の聖地として知られ、現地では大学の教授や学生が積極的に起業活動を行っていました。その独自の雰囲気に触発され、粟生氏は「私も起業したい!」という想いを抱くようになり、初めて起業家という選択肢を意識し、それがきっかけで起業への挑戦を決意したとのことです。

その後、粟生氏はAIスタートアップのエクサウィザーズを起業し、創業から資金調達、M&Aまでの経験を積まれました。現在は第2創業をされ、株式会社LEOにて、ひとづくり、ことづくり、ばづくり、まちづくりを中心に活動されています。

粟生氏の生き方そのものが、常に挑戦し続けるアントレプレナーシップを体現されているようでした。

【アントレプレナーシップとは?】
「何かに挑戦する、何かやってみようという精神そのもの」

アントレプレナーシップは起業家だけのものではなく、企業内でプロジェクトを立ち上げることも含まれると強調され、その重要性についてお話しいただきました。

【アントレプレナーシップがなぜ求められるのか?】

10分間のペアワークで、学生たちは「アントレプレナーシップがなぜ求められるのか?」について活発に議論し、「挑戦する心が社会を良くする」「自分から問題に向かう姿勢が必要」などの意見が出ました。

「0-1でないものをつくる人だけじゃない、色々な課題を発見し、やってみよう! という自己効力感が必要。問題が起こったときに、なんとか解決しよう!何とかしてみよう!という気持ちが大事!!」

「課題があったときに、ポジティブに設定していく、解決しようと行動を起こすマインドセットが大事!!」

といったアントレプレナーシップを持つことの必要性とポイントを伝えていらっしゃいました。

最後に、「テクノロジーの進化で、世界は変わり、日本は縦社会から横の社会へ。これからは『質』が重要です。教育指導より『対話と議論の場づくり』、上意下達から『一人ひとり』、画一性から『みんな違ってみんないい』へ。VUCAの時代、自分たちで問いを立て、話し、決めて、仕事を作る世界が広がっています。」と印象的なメッセージをいただきました。

続いて、南山大学のOBで株式会社LEOに所属し、フリーランスカメラマンでもある竹沢氏にご講演いただきました。

竹沢氏からは、コミュニティ作りやイベント作りに興味があり、現在は正社員とフリーランスを掛け持ちしながら、さまざまな人に相談を受けて今に至った経緯をお話いただきました。

「やりたいことをやる」「やりたいと思ったことをずっと続けている」という先輩の言葉に、学生たちは興味津々でした。

また、竹沢氏が取り組んでいる「NAGOYA CONNECT」や「Tech GARA」についても紹介がありました。これらのイベントは、人と人がつながり、新しいイノベーションを生み出す場として機能しています。竹沢氏は「行動こそが全てに勝る」と述べ、「何かしたい」という思いを持つ人が集まる場であるため、ぜひ一度足を運んでほしいとのメッセージがありました。

学生からは、竹沢氏が社会に出た後に南山大学に戻ってこられた経緯について興味を持ち、なぜクリエイターに対して疑問を抱くようになったのかを質問する場面がありました。また、学校の宿題に対して熱量がわかない状態が続く中、社会に出た立場から学生時代にどのような活動に積極的に取り組んでおくべきかというアドバイスを求める質問もありました。

粟生氏と竹沢氏からは、学生に向けて以下のアドバイスがありました。

「人に会うことで、新たな仕事や課題に気づき、視野が広がる。さまざまな場所に足を運び、異なる人々と交流することが大切だ。」

また、ポートフォリオを作成し、可能であればウェブ化することを勧められました。「自分が何をやってきたのかを大学時代にまとめておくことで、後々役立つ。」との助言がありました。

1時間半があっという間に感じられるほど、インタラクティブで熱気に満ちた、非常に実り多い講演となりました。
《カメラ担当 中嶋真由美》
《レポート担当 学び舎mom株式会社 浅野 順子、小澤 智恵》

ー次回ワークショップのお知らせー

「アイデアを具体化する最強のワークショップ」

日 時:2024年12月7日(土)10時00分〜16時00分 ※16時以降は、30分程度ネットワーキング
場所:R棟多文化交流ラウンジStella
対象:学部生、大学院生(南山大学以外の方も参加可)
※先着8名

総合政策学部在学生で連続起業家でもある、山下青夏さんによるアイデアを具体化する、ワークショップです。未経験の方でも丁寧にフォローします。

【こんな方におすすめ】
 ・NANZAN ENGLISH PITCH ARENAへの出場を目指す方
 ・実現したいアイデアがある方
 ・起業や新規事業に興味がある方
 ・自分でなにかビジネスをしてみたいと考えている方

お申し込みはこちら

https://app.nanzan.ac.jp/regform/regist/univ/intlstrategy/sparkworkshop2024

その他詳細はこちら

https://office.nanzan-u.ac.jp/ncia/news/spark/003807.html

お問い合わせ先

南山大学 国際センター事務室 国際戦略係(intl-strategy@nanzan-u.ac.jp)